【趣 旨】
港内施設を守り、安全で効率の良い荷役を行うための防波堤、港湾施設の耐波性能、耐波設計について、その取り組みについて、今回はご発表、ご紹介を頂きます。
【プログラム】
15:00~15:05 開会挨拶 国際海洋科学技術協会 会長 増 田 光 一
15:05~16:05 高山知司 沿岸技術研究センター
テーマ:
防波堤の役割と耐波設計について
概 要:
防波堤は港内を静穏に保ち、安全で効率のよい荷役をするために建設されてきたが、近年においては高潮や津波から沿岸部を防護するためにも建設されてきている。一般の防波堤は50年確率波で設計されているが、津波防波堤については設計対象津波より50年確率波による波力が大きいので、50年確率波で設計されてきた。しかしながら、2011年の東日本大震災ではその時に発生した巨大津波によって、津波防波堤も一般の防波堤も大きな被災を受けた。1000年に1回と言われるような巨大津波に対しては、防波堤が破壊されないように粘り強い機能を付加することに決まった。2007年の港湾施設の技術上の基準がそれまでの仕様設計から性能設計へと大きく変化した。2007年の基準では設計に係わる全ての要素に部分係数が設定されたが、そのために非常に複雑になり、部分係数の改定が難しくなった。2018年の基準の改定では、部分係数は荷重項と抵抗項の2つになり単純になった。このような性能設計法では基本に設計対象構造物の破壊確率が基本になっている。このようなことについて述べる。
16:05~17:05
鶴田修己
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
沿岸水工研究領域 耐波研究グループ長
テーマ:
数値波動水槽を用いた数値設計手法構築に向けた取り組み
概 要:
巨大津波による港湾施設の破壊や、海面上昇に伴う対波性能の再検討など、既往の設計式だけでは対応できない複雑境界を伴う現象に対して、低コストかつ迅速に大規模な範囲で対応するためのツールとしてCADMAS-SURFや粒子法(PARISPHERE)などの数値波動水槽を開発・改良し、それを用いた数値設計法の確立を目指しています。現状の課題や今後の展開など、運用方法を交えた研究の取り組みをご紹介します。
17:05~17:10
閉会挨拶
17:15~19:00
交流会