平成18年度事業報告
1.概要
18年度は事業計画に沿った活動を実施し、会員並びに国内外関係者の期待に概ね応えうる
成果を得た。国際関連活動としては18年6月11?15日に「海洋科学技術に関する太平洋会
議(PACON2006)国際会議」がミャンマー・ヤンゴンで開催され、これに参加する参加者を募っ
た。民間助成活動では、「河口・海岸域における生物生息環境の総合化研究」、「フィリピン・
セブ島及び沿岸域の水質汚染域における生物生息環境回復事業」を行い、相応の成果をあ
げた。
平成19年3月31日時点での会員構成は、正会員39団体、賛助会員の個人会員11名である。
今期は理事会を3回、通常総会を2回、運営委員会を2回、事業活性化委員会を1回開催し、
運営全般について審議を行った。
2.自主調査研究事業
(1)「 21世紀の海辺づくり調査研究」をテーマとし、協会の鬼頭理事を中心に人工ゼオライトを
利用した沿岸海域の開発と自然環境の回復を目指す各種調査研究活動を平成17年度か
ら引き続き行った。今年度は委員会で報告された内容を元に人工ゼオライトに関する研究
をまとめ、報告書の作成を行った。報告書は会員、関係研究機関等へ配布した。
3.助成・依託事業
(1) 独立行政法人環境再生保全機構・地球環境基金による「フィリピン・セブ島及び沿岸域の
水質汚染域における生物生息環境回復事業」を行った。本事業は16年度から始めた継続
事業である。フィリピン・セブ島周辺海域は美しいことで日本でもよく知られているが、近年
この島の沿岸部の環境悪化が広まっている。また、都市部の河川海岸域でも重金属汚染
が確認されているため、水の清浄化のための水質改善を図り、魚介類を含めた海藻、サ
ンゴ類の生態系を復活させ、生物生息環境を回復させる活動を行ってきた。本年度は事業
の途中からフィリピン側の緊急の要望を受け、現地でのタンカー座礁による原油流出事故
の対応策を施すこととなり、海岸線の原油汚染域の清浄化活動に多大な効果を上げたこと
がフィリピン政府からも評価された。
(2) 財団法人河川環境管理財団の河川整備基金助成による「河口・海岸域における生物生
息環境の総合化研究」委員会を5回行った。今年度は日本国内の河口・海岸域の環境修
復事業を考える中で、三河湾での環境状況を例として原因と結果をPCM手法を用いて検
討した。今後の河口・海岸域の生物生息場回復手法についてのマニュアルとなる図書作成
を行った。これにより、生物生息場の機能と環境影響の検討を入れた「干潟の造成」図書
を刊行した。
4.国際情報活動
(1) 海洋科学技術に関する太平洋会議(PACON2005)への参加
2006年6月11?15日に東南アジア諸国では初めてのミャンマー・ヤンゴンにおいて「海洋科
学技術に関する太平洋会議(PACON2006)」国際会議が開催された。当協会は同会議への
論文発表者及び参加者の募集を行い、派遣した。
5.広報
機関誌JIMSTEF News Vol.9 No.1資料集を刊行し(平成19年1月刊行)、会員、関係者へ配
布した。
6.その他
(1) 環境NGOと市民の集い「Let's エコボランティア&エコ就職」が11月23日に東京・早稲田大
学で開催され、当協会が海外(国内及びフィリピン、タイ等)で行ってきた環境浄化、回復事
業を紹介した。会場には200名を越える聴講者が参加し、説明後の個別面談においても活
発な質疑応答を行った。
(2) 海洋に関連する行事に積極的に参加、協力、援助を行う協会の活動趣旨に沿って、日本
海洋工学会(下記の9学会の関係者で組織された任意団体)が実施している海洋工学パネ
ル(2回/年)の事務局を務めた。17年度の海洋工学パネルは、平成18年7月27日と平成
19年1月19日に開催した。
日本海洋工学会加盟学会
海洋音響学会、海洋調査技術学会、(社)資源・素材学会、石油技術協会、(社)土
木学会、日本沿岸域学会、(社)日本建築学会、日本水産工学会、(社)日本船舶海
洋工学会