機関誌 JIMSTEF NewsVol 8, No.1-2 会議報告

会 議 報 告

1.第3回伊勢・志摩海洋国際会議
 2005年10月27?28日に三重県伊勢市の三重県営サンアリーナを会場とした「第3回伊勢・志
摩海洋国際会議」を開催した。本国際会議は、これまで協会が行ってきた第1回及び第2回の
伊勢・志摩海洋国際会議の第3回目にあたるもので、、地元三重県、伊勢市を始めとした市町
村、企業、団体の協力を得て行うものである。サブテーマにはこれまで同様「豊かな海と明日
の環境を考える」を据え、伊勢湾、太平洋に面する三重県の今後について各種の研究発表、
意見・討議を行った。
 講演内容は特別講演4題、フォーラム、分科会4セッションで、国内外の研究者や事業者が
研究発表を行った。また分科会セッションは「水産資源活用」、「海洋環境技術」、「21世紀の
海辺づくり」をテーマとし、研究発表と併せて聴講者との意見交換を行った。国際会議閉会に
当たっては当協会の寺本俊彦会長が都合により出席出来なかったため、会長に代わって小
長俊二常務理事が大会宣言を発表した。
 それぞれ27日の開会式・特別講演には約520名、その後の4つの分科会に計345名、28日の
フォーラム及び特別講演には208名の参加者が出席した。参加者の内容は県市町村関係者、
研究機関、高校大学等の学校、民間企業等と多彩であった。また県外からの参加者も見られ
た。27日の会議後に行われた交流会には114名の参加者を集め、盛大に会が開催された。こ
こでは三重県の郷土芸能である「神恩太鼓」と「恵理原餅つき」が披露され、大いに盛り上がっ
た。

 開催に当たっては、外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
及び伊勢志摩観光コンベンション機構、(財)三重ビジターズ推進機構の後援許可を頂き、伊勢
志摩海洋国際会議実行委員会のもと、三重県、伊勢市、鳥羽市、二見町、(株)鳥羽水族館、
緑と水の協会、三重県漁業協同組合連合会、三重県真珠養殖連絡協議会と当協会の合同に
よる主催として開催した。また、協賛には27団体、寄附を11団体より頂いた。また、三重県内
で行われる研究活動のパネル展示、「三重の海」写真展示、伊勢志摩観光ポスター展、伊勢・
志摩海の物産展、旅する沖縄料理店等の出展や、平成25年に立て替えられる伊勢神宮の式
年遷宮に出される御木曳車(ミニチュア)の展示があったりと、多くの参加者でにぎわいをみせ
ていた。

特別講演
1.宇宙船海球号と人間: 中村幸昭、鳥羽 水族館名誉館長
2.渚の文明論:海は誰のものか?: 朴 恵淑、三重大学人文学部教授
3.海を渡って・・・日本へ: フランシ スコ・ナバロ・ギタル、(有)インター・ スペイ ン代表
4.私の命、海の恵み(お塩)に救われた:  阿部進、教育評論家
分科会Aセッション「水産資源活用」
座長:関口秀夫、三重大学教授
1.海洋資源の持続的利用の過去・現在・将来について: 小松正之、(独)水産総合研究 セ 
 ンター理事
2.養殖真珠の歴史と今後の展望: 永井清仁、(株)ミキモト真珠研究所所長
3.シラスウナギ人工生産技術の開発: 田中秀樹、(独)水産総合研究センター
4.イセエビ増殖への挑戦: 松田浩一、三重県科学技術振興センター
分科会Bセッション「海洋環境技術」
座長:松田治、三重県地域結集型共同研究事業新技術エージェント
1.藻場造成による沿岸環境の創成: 前川行幸、三重大学生物資源学部教授
2.日本のサンゴ群集の価値: 内田紘臣、串本海中公園センター館長
3.英虞湾における干潟・藻場の変遷と浅場再生技術: 国分秀樹、三重県科学技術振興
 センター
分科会Cセッション「21世紀の海辺づくり」
座長:鬼頭誠、社団法人国際海洋科学技術協会理事
1.FFC資材を活用した安芸津湾、宮野河内湾における環境改善に関する研究: 松本 正、
  (株)赤塚植物園生物機能開発研究所所長
2.人工ゼオライトによる流域環境の改善: 小口深志、人工ゼオライトフォーラム
3.アマモをめぐる環境と共生?アマモとヒトの関係学: 相生啓子、国際湿地保全連合 顧問
4.美しい「みえのうみ」維持・創造プロジェクトの取り組みについて: 土橋靖史、三 重県農水
  商工部主査
分科会Dセッション「海洋と文化」
座長:石原義剛、海の博物館館長
1.伊勢神宮の神饌と海産物: 矢野憲一、五十鈴塾塾長
2.三重のカツオ漁業文化: 若林良和、愛媛大学農学部教授
3.熊野の漂着伝承と漂着神: 三石学、東紀州活性化事業推進協議会事務局・みえ熊野  
  学研究会
4.海の祭り文化: 石原義剛、海の博物館館長
フォーラム
座長:堀田健治、日本大学理工学部教授
パネリスト:特別講演演者、各セッション座長


2.日本ミャンマー交流協会設立5周年記念パーティーに出席して
 平成17年12月12日に、東京の明治記念館に於いて「日本ミャンマー交流協会設立5周年記
念パーティー」が開催され、事務局長の猪口が出席したので、パーティーの模様等を報告す
る。
 日本ミャンマー交流協会は、日本とミャンマーの経済、学術をはじめ眼科医療、大学間交流
等の人的交流、支援を目的として設立された特定非営利活動法人で、石井進日本大学教授
を理事長に積極的な活動を進めている。この5年間の活動を見ても白内障治療、インフラ整備
の提案、科学・工学等のセミナー開催、船舶・航空機の基礎講習、建造・組立て、海洋環境の
改善技術指導等幅広い分野にわたっている。
  当日のパーティーは日本国内の各種企業、大学関係者ら200名を越す参加者が介し、盛大
に開催された。会に於いては石井理事長の挨拶に始まり、駐日ミャンマー大使館大使のウ・
ラ・ミン(U Hla Myint)氏の歓迎挨拶、久間章生自民党総務会長(日本ミャンマー交流協会特
別顧問)の挨拶、吉野氏の乾杯発声と続いた。

 ミャンマーでは2006年6月にPACON2006(海洋科学技術に関する太平洋会議)大会を
ASEAN諸国では初めて開催することも当協会堀田健治副会長より発表された。尚、堀田副会
長は日本ミャンマー交流協会の副理事長を務めておられる。また、協会関係者としては山田
泰生理事(PACON日本支部長)も出席されており、PACON2006の開催にあたって、日本も協
力して沢山の参加者、講演者とともに会議に臨みたいとの話を伺った。当協会としても参加者
の募集を行う予定である。

  当協会では日本経団連自然保護基金の助成金事業として、2006年度からミャンマー沿岸域
の生物生息場改善を考えた調査研究、技術指導を行うことを計画している。国内の沿岸環境
の整備と水産資源の確保、増殖を行える道筋を作り、現地の方々に水産物による収入確保を
行えればと考えている。
 ミャンマーという国自体は日本から見るとまだまだ発展途上で、国内の情勢のわかりにくい
国と思われている。一昨年12月に首都ヤンゴンを訪れた際は、綺麗に整備された街と活気の
ある人々、黄金に輝く沢山のパゴダ(仏塔)がある印象深い国であった。現在首都移転が行わ
れているようであるが、今後の発展が大いに期待されると思われる。


3.イガイ類に関する海洋環境研究"成果発表会の報告
 平成16年度の日本財団助成金事業である、イガイ類に関する海洋環境研究委員会のまと
めとして、成果発表会"イガイ類をもっと食品として利用できないか?"を、平成17年2月7日
に日本財団ビル会議室において開催した。これは一般の方対象の発表会であるため、広く民
間の広報雑誌に掲載し、無料にて参加できることとした。
 私たちの生活の中に海は大きく関わっているが、環境保全の問題などなかなかむずかしい
事柄が多い中で、一般の方に少しでも関心をもっていただけたらと食品分析等わかりやすい
視点での発表会とした。

発表内容・発表者
1.日本でイガイ類は食べられているのか?・・三輪 竜一
2.エゾイガイの採集と食としての一面は?・・渋谷 正信
3.イガイ類の生活は?・・石井 晴人
4.イガイ類はおいしいか?・・白石 隆明

委員会名簿(順不同)
寺本 俊彦 ((社)国際海洋科学技術協会 会長・理学博士)
梶原  武 (元東京大学教授・農学博士)
鬼頭  誠 (緑と水の協会・工学博士)
坂口  勇 (日本付着生物学会 会長・農学博士)
白石 隆明 (東京海洋大学助教授・農学博士)
高田 秀重 (東京農工大学助教授・理学博士)
石井 晴人 (東京海洋大学助教授・農学博士)
渋谷 正信 (⑭渋谷潜水工業 代表取締役社長)
牧原  康 (朝日丸建設⑭ 代表取締役社長)
関  剛摩 (⑭関組 代表取締役社長)
石村 忠昭 (芙蓉海洋開発⑭ 部長)
三輪 竜一 (芙蓉海洋開発⑭ 係長)


4.PACON2005 In Taiwan 報告
 2005年度の大会は台中にある、建国科技大学を会場として、11月6日から9日に国際会
議・講演会を開催した、開催日初日には嗜好をこらした演劇やお茶道がおこなわれ、大学の
構内には沢山の大会歓迎の旗がならび、大学が総力をあげて歓迎式典を行ってくれるのがと
てもよくわかり感動をおぼえた、久しぶりに顔を合わせた方々も多く、和やかなひとときをおく
れた。
協会主催のツアーで参加した山田理事はじめ私達14名は会場からタクシーで5,6分の全台
大飯店に宿泊した、発表を行う前は皆緊張していたが、山田理事の心強いアドバイスなどもあ
り、皆難なく発表はすんだ。時間の余裕がある時は観光や食事などで交流ができた。
山田理事のアワードの表彰が行われた(Most Active chapter Award)これはPACONに対して
最も活躍した支部長に贈られる賞である、日本では協会副会長である堀田理事(PACON会
長・日本大学教授)、山田泰生理事(⑭ジヤパンテクノロジ代表取締役社長)が中心となって今
回の大会を支えていただいた。